会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2021/07/08

 2021年の通常国会では、育児・介護休業法の改正のほかに、健康保険法や厚生年金保険法の改正が行われた。その中で、健康保険の傷病手当金については、対象となる従業員への影響が大きいことから、社労士は顧客を訪問した際に情報提供することにした。

 今日は、2022年1月より施行される傷病手当金の支給期間の通算についてお伝えします。

 2022年1月ということは、半年後ですね。しっかりと話を聞かないといけないですね。

 傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のために休業しており、一定の要件を満たしたときに支給されます。支給される期間は、支給が開始された日から起算して最長1年6ヶ月です。これは、1年6ヶ月分支給されるということではなく、1年6ヶ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、復帰期間も通算して1年6ヶ月となります。

 同じ病気で入退院を繰り返して一時的に復帰をした期間があるような場合には、傷病手当金の支給は1年6ヶ月分よりも少なくなるということですね。

 はい、そうです。この取扱いが2022年1月から変更され、傷病手当金が支給された期間を通算して1年6ヶ月となります。

 つまり、今後は一時的に復帰した期間は含めなくなるので、一時的に復帰をした人にはより長い期間支給される可能性があるということですね。

 そのとおりです。今回、治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障を行うために見直しが行われました。

 なるほど。これは対象者にとって助かりますね。ちなみに、労災保険にも同じような制度があったかと思うのですが、その部分も変更になるのですか?

 いいえ、労災保険は変更されていません。具体的にお話をしておきましょう。労災保険では、業務上の事由による病気やケガの療養のために休業しており、一定の要件を満たしたときには休業補償給付が支給されます。ちなみに通勤途上のものは休業給付が支給されます。

 そうでした、休業補償給付と休業給付(以下、あわせて「休業(補償)給付」という)でしたね。

 これらの給付は、支給開始から1年6ヶ月を経過しても支給されるのですが、異なる給付として傷病補償年金や傷病年金(以下、あわせて「傷病(補償)年金」という)が用意されており、療養の開始後、1年6ヶ月を経過しても傷病が治癒しない場合で、かつ、その傷病の程度が傷病等級に該当したときに、傷病(補償)年金が支給されます。なお、傷病(補償)年金は、その状態が継続している間支給されますが、休業(補償)給付は支給されなくなります。

 1年6ヶ月を経過すると自動的に傷病(補償)年金に切り替わるという訳ではないのですね。

 はい。傷病等級に該当していなければ、引き続き休業(補償)給付が支給されます。

>>次回に続く



  以下では、傷病手当金を受給していた従業員が会社を退職することになった場合の、傷病手当金の取扱いについてとり上げます。

 次の2つの条件を満たせば、退職後も引き続き傷病手当金を受けることができます。

  1. 被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間があること
  2. 資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること

 退職日に荷物整理や引継ぎのために、労務の提供ができない状態であっても出勤するということがありますが、退職日に出勤してしまうと、上記2の条件を満たさないことになり、退職後に傷病手当金を受けることができなくなりますので注意が必要です。

■参考リンク
厚生労働省「第143回社会保障審議会医療保険部会 資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19463.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。


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