旬の特集
旬の特集

文書作成日:2020/05/28

 今後、人事労務管理に関連する法改正の施行が多く予定されています。そこで今回の特集では、今後施行される法改正の概要を確認しておきましょう。


 現時点で今後施行が予定される法改正で主なものは、下表のとおりです。企業規模によって、施行時期が異なるものも多く、また、就業規則の変更や、役所への届出が必要なものもあります。もれなく対応を進めていきましょう。
※図はクリックで拡大されます。


[1]でとり上げた内容について、具体的なポイントを確認していきます。

  1. パワーハラスメント防止措置の義務化
     パワーハラスメントの問題の増加から、その防止措置の実施が義務化されます。具体的には、セクシュアルハラスメントや妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止措置と同様に、パワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確にし、管理職を含む従業員に周知・啓発をすること、パワーハラスメントの言動を行った従業員に対して厳正に対処する旨の方針やその内容を就業規則等に規定すること等が義務となります。大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から義務化されます(中小企業は、2022年3月31日までは努力義務)。

  2. 女性活躍推進法 公表項目の追加(常用雇用労働者数301人以上の事業主)
     常時雇用する労働者数が301人以上の事業主は、2020年6月1日以降、女性の活躍に関する情報公表について、2つの区分(「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」)から、それぞれ1項目以上選択して2項目以上情報公表する必要があります。

  3. 子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得
     現行の子の看護休暇と介護休暇は、1日単位だけでなく半日単位(1日の所定労働時間が4時間以下の従業員は除く)での取得ができるようになっています。これが、2021年1月よりすべての従業員(※)について、時間単位での取得が求められるようになります。この時間単位での取得は、始業時刻または終業時刻と連続して取得できるものとすることが原則とされており、労働時間の間で休暇を取得するいわゆる「中抜け」を認める必要はありません。ただし、この中抜けを、法令を上回る制度として認めることは可能です。
    ※時間単位で取得することが困難な業務がある場合は、労使協定を締結することにより、対象者からその業務に就く人を除外することが可能です。

  4. 同一労働同一賃金の施行(中小企業)
     大企業については2020年4月1日にパートタイム・有期雇用労働法が施行され、同一労働同一賃金が施行されましたが、中小企業は1年遅れの2021年4月より施行されます。同一労働同一賃金と表現されますが、現実には企業内の正規従業員と非正規従業員の間の均等・均衡処遇を目指すことが本旨であり、その対応実務としては、正規従業員と非正規従業員の現状の待遇を比較し、不合理な待遇差がある場合には、その解消が求められます。

  5. 70歳までの就業機会確保の努力義務化
     働く意欲がある高齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者の活躍の場を整備することを目的として、2021年4月より、企業に対して70歳までの就業機会を確保することが努力義務とされます。この就業機会の確保措置の選択肢としては、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止、労使で同意した上での雇用以外の措置(業務委託契約、社会貢献事業への参加など)などが挙げられています。

  6. 中途採用比率の公表義務化(常用雇用労働者数301人以上の事業主)
     常時雇用する労働者数が301人以上の事業主は、2021年4月より、従業員に占める中途採用により雇い入れた人の割合を定期的に公表する必要があります。この中途採用比率を公開することで、職場情報を見える化し、中途採用を希望する労働者と企業のマッチングの促進していくことが狙いとしてあります。

  7. 65歳以上複数就業者の雇用保険加入ルール
     雇用保険は週の所定労働時間が20時間以上であることが加入要件の一つになっていますが、複数の就業先で勤務する65歳以上の労働者について、いずれの就業先でも雇用保険の加入要件を満たさないような労働時間数での勤務であっても、2つの就業先での週の所定労働時間の合計が20時間以上であれば雇用保険に加入できるようになります。

  8. 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定(常用雇用労働者数101人以上の企業)
     2022年4月1日より、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・情報公表の義務の対象が、常時雇用する労働者数が301人以上の事業主から、常時雇用する労働者数が101人以上の事業主に拡大されます。この拡大により新たに対象となる事業主は施行日までに、行動計画の策定・届出、情報公表のための準備を行う必要があります。

  9. 月60時間超の割増賃金率50%の適用(中小企業)
     大企業はすでに1ヶ月に60時間を超える時間外労働について、割増賃金率が50%となっています。中小企業はその適用が猶予されていましたが、2023年4月より適用となります。就業規則(賃金規程)の変更や、勤怠管理システムの時間外労働時間の集計方法の変更、給与計算ソフトの設定変更等、大掛かりな変更が必要になる場合があります。

  10. 高年齢雇用継続給付の給付率 上限の引き下げ
     高年齢雇用継続給付とは、従業員が60歳に達したときと比較して、それ以降の給与が一定額以上引き下がった場合に、従業員に支給される給付金であり、高年齢者の就業意欲を維持、喚起し、65歳までの雇用の継続を援助、促進することを目的としてきました。
     しかし、社会情勢の変化により、原則65歳までの雇用の義務化が浸透し、更には70歳までの就業機会の確保が努力義務として求められるようになったこともあり、高年齢雇用継続給付の役割は薄れてきました。そこで、2025年4月より給付率の上限が15%から10%に引き下げられます。

  11. 複数就業者にかかる労災認定・給付ルールの見直し
     国は兼業・副業を促進していますが、その一方で、複数の勤務先で勤務する人のセーフティーネットの整備が求められていました。施行日は未定ですが、複数の勤務先から支払われた賃金に基づいて、労災の給付基礎日額の算定を行ったり、給付の対象範囲の拡充なども行われるようになります。

 上記でとり上げた内容の一部は、今後、詳細な情報が出てくる予定です。また、これ以外にも法改正が行われる可能性もあります。すでに分かっているものは、対応内容な対応スケジュールを立てて着実に進めるようにしましょう。

■参考リンク
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
厚生労働省「育児・介護休業法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html
厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正〜70際までの就業機会確保〜」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

戻る

お問合せ
まつした社労士事務所
〒463-0081
愛知県名古屋市守山区川宮町162-202
TEL:052-700-4226
FAX:052-726-3793

対応エリア:愛知県、岐阜県
無料診断を実施中!!
人材の定着化を阻む最大の要因として、職場の人間関係を起因としたメンタルヘルス・ハラスメント問題が潜在しています。只今、愛知県・岐阜県の事業所様に、労務リスク無料診断を実施中ですのでこの機会をお見逃しなく・・・

QRコードを読み取って簡単アクセス

1 出生時両立支援コース 
2 介護離職防止支援コース 
3 育児休業等支援コース
4 再雇用者評価処遇コース
5 女性活躍加速化コース 

  詳しくはこちらから
1 正社員化コース
2 賃金規定等改定コース
3 健康診断制度コース

4 賃金規定等共通化コース
5 諸手当制度共通化コース
6 選択的適用拡大導入時
処遇改善コース
7 短時間労働者労働時間延長コース
  詳しくはこちらから
「65歳以上への定年の引上げ」「定年の定めの廃止」「希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入」のいずれかを行う会社が利用できます。(65歳超継続雇用促進コース)詳しくはこちらから
ストレスチェック助成金
心の健康づくり計画助成金
職場環境改善計画助成金
小規模事業場産業医活動助成金

心の健康づくり計画助成金の詳細はこちらから






 
 
 

   専門分野

電子申請を活用した効
率的な社会保険・労働
保険関係手続

ハローワーク等を活用した採用支援及び採用面接の実施

助成金を活用した従業
員の採用・定着・戦力化支援

☑入社から退職までの実態・規模に見合った教育研修の提供

働き方改革関連法
 対応する最新の就業
 規則の企画・立案

健康経営優良法人認定取得に向けた取り組み支援

高年齢者の戦力化

治療と仕事生活の両
 立支援

メンタルヘルス教育
ハラスメント教育

安全衛生
教育
 ・熱中症予防
 ・腰痛対策
 ・ストレスチェック



 

初回無料相談は
こちらから
まつした社労士事務所では、初回のご相談(60分程度)につき、無料で対応させていただきます。(愛知県の企業様限定)
社会保険・労働保険
就業規則の整備など
お気軽にご相談ください。
女性ならではの親しみやすさと分かりやすい説明がモットーです。
お申込みはこちらから・・・

働き方改革について
2018年6月29日「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が成立し、2019年4月より順次施行されることとなりました。では、具体的に何から始めれば良いのでしょう。
まつした社労士事務所では、事業場の実態に合わせた働き方改革のご提案をいたします。

 

採用定着支援
ハローワークに求人を出したが、まったく反応無いとお嘆きの企業様へ・・・
まつした社労士事務所では、求職者の目線にたった求人シートの作成及び、面接の進め方、入社後の定着までトータルで支援を行います。

 

メンタルヘルス対策支援
現代は、極度のストレス社会です。
働き方改革を進めていく上で、メンタルヘルス対策は、安全衛生法、労働契約上での安全配慮義務の履行においても重要視されております。愛知産業保健総合支援センターでメンタルヘルス対策促進員を務める松下が、効果的なメンタルヘルス対策をご提案いたします。