今後の法改正など
2026/3/11 更新
近年、労働法関連の改正は非常に活発で、2024年は育児・介護を中心に法改正が行われ、2025年に順次施行となります。
現在も労働時間関連の制度見直しや、社会保険加入の壁撤廃の方向性も示され、今後も動向を注視する必要があります。
また、ページ下部には最近施行された内容も示しておりますので、対応の漏れがないかご確認ください。
「より詳しく知りたい」「対応に困った」などありましたら、まつした社労士事務所までお問い合わせください。
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2025年施行 育児・介護にまつわる改正についてはこちら
主に施行済みですが、2026年4月からは
子ども・子育て支援金制度も開始されます。
【2026年4月】 在職老齢年金制度の見直し
厚生年金を受給しながら働く際に、一定額を超えると年金が減額されますが、2026年4月1日よりその上限額が月65万円への引き上げられます。(2024年時点上限50万円)
賃金(ボーナス含む)と厚生年金の合計額が月65万円までであれば、厚生年金が減額されることなく受給できることになり、
働くことを希望する高齢者が意欲を保ったまま働ける仕組みになります。
参考リンク
厚生労働省 在職老齢年金制度の見直しについて
【2026年4月】 健康保険 扶養認定基準の見直し
扶養の認定基準が、労働契約による労働時間数と時給等給与から年間収入を判断する取り扱いに変更になります。
そのため、申請時に「労働条件通知書」等の契約内容が確認できる書類の添付が想定されます。
また、シフト制や契約期間が1年に満たない等の場合は従来通り給与明細等により判断されます。
参考リンク
協会けんぽ 労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取り扱いについて
【2026年4月】 男女間賃金差異 と 女性管理職比率 の公表義務の拡大
男女間賃金格差については、これまで従業員数301人以上に義務付けられていたものが、従業員数101人以上に拡大されます。
また、新たに女性管理職比率についても101人上の企業に公表が義務付けられます。
従業員数により公表が必要な項目数が異なりますので、ご注意ください。
参考リンク
厚生労働省 リーフレット 男女間賃金差異 と 女性管理職比率 の公表義務が拡大
【2026年4月】 食事の現物支給、所得税の非課税限度額の引上げ
食事の現物支給について、これまでの非課税限度額 月額3,500円から月額7,500円に上限が引き上げられます。
なお、現物支給については、社会保険と税法上で取り扱いが異なります。
税金については税理士さんにお尋ねください。
参考リンク
国税庁 食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げについて
【2026年4月】 自転車の交通反則通告制度の導入
自転車による交通違反について交通反則通告制度(青切符)が導入されます。
通勤に自転車を使っている方も多く、2024年には「ながらスマホ」が禁止されるなど、近年の改正点と併せて確認しておくとよいでしょう。
2026年には自動車についてもルール変更が予定されています。
4月には、仮免許の取得可能年齢を17歳6か月に引き下げ
5月には、自動車が自転車に右側を追い抜く際の定め
【2026年7月】 障害者法定雇用率の見直し
従業員が一定以上の事業主は、障害者法定雇用率以上の障害者を雇用しなければなりませが、 この雇用率も段階的に引き上げられることになっています。
(施行済み)2024年4月 2.5%(従業員40人以上に対して1人以上)
2026年7月 2.7%(従業員37.5人以上に対して1人以上)
障害者雇用に関しては他にも、2024年4月より算定方法が変更になりました。
週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者を1。 10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について0.5とカウントできるようになりました。
また、2025年4月からは就業困難職種における雇用義務の軽減における除外率も10%引き下げになりました。
法律で必要だからと準備をせず障害のある方を雇用すると、定着が難しいこともあります。
初めて雇い入れをする場合には、従業員への説明・勉強会を開催するなど予め受け入れ準備をしておきたいところです。
参考リンク
障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について
【2026年10月】 カスタマーハラスメント・求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置の義務化
近年話題になっているカスハラと求職者セクハラへの措置義務が始まります。
カスハラについては業種ごと、事業ごとに具体的な対応も変わってきますので、各業界による取り組みも確認ください。
また、すでに多くの地域で先行して条例が施行されていますので、現時点でも対応の必要があります。
参考リンク
厚生労働省 令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について
【2027年9月〜】 標準報酬月額上限額の段階的引上げ
厚生年金の保険料や年金額の計算に使う賃金の上限が引き上げられます。
現在65万円
2027年9月 68万円
2028年9月 71万円
2029年9月 75万円
これにより、保険料の負担も増えますが、将来受け取れる年金額も増加します。
参考リンク
厚生労働省 厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて
【2027年10月〜】 社会保険の適用拡大
現在従業員51人以上の企業であれば、週所定労働時間20時間以上などの要件のもと社会保険の加入対象になりますが、
この企業規模要件を10年間かけて順次廃止し、将来的には週20時間以上の労働者は社会保険の加入対象となります。
時期と適用となる従業員数
- 2027年10月 36人以上
- 2029年10月 21人以上
- 2032年10月 11人以上
- 2035年10月 10人以下
現在は加入の要件として、月8.8万円という賃金要件もありますが、最低賃金の引き上げにより週20時間以上働くと、自動的にこの金額以上となる時期も遠くないため、賃金要件は最低賃金の動向を見て撤廃されることも決まっています。
関連として
新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者の保険料を事業主が一部負担し、その負担分を支援する制度も2026年10月から3年間限定で設けられる予定です。
2029年10月からは、常時5人以上の者を使用する個人事業所についても社会保険の適用拡大がなされます。(ただし、既に存在している事業所については当面対象外)
参考リンク
厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について
【2028年10月】 雇用保険の適用拡大
雇用保険の加入要件が変更されます。
現行の週所定労働時間20時間以上のところ、週10時間以上に引き下げられます。
これにより、各種手続きの算定基準も現行の1/2に改正されます。
例えば、失業給付を受給中に労働した日が1日2時間以上(改正前4時間以上)ある日は、その日は失業している日とは認定されません。
その他の予定
具体的な施行時期・内容が今後公表される予定のもの
- 公益通報者の保護強化 (2026年12月)
- ストレスチェック、50人未満企業への義務化
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
近年実施された主な改正等
すでに施行済みの内容一覧になります。
- 【2025年12月】 所得税の基礎控除等の見直し
- 【2025年11月】 通勤手当の非課税限度額の改正
- 【2025年10月】 教育訓練休暇給付金の創設
- 【2025年10月】 19歳以上23歳未満の扶養認定基準の見直し
- 【2025年6月】 熱中症対策の義務化
- 【2025年4月】 高年齢雇用継続給付の引き下げ
- 【2025年1月】 労働者死傷病報告等の電子申請 原則義務化
- 【2024年12月2日】 健康保険証の廃止
- 【2024年4月】 時間外労働の上限規制猶予が終了
- 【2024年4月】 労働契約関係の明確化・無期転換ルールの見直し
- 【2023年12月】 アルコール検知器によるアルコールチェックの義務化